【野村】地域救急医療および防災力向上に関する一般質問 – 2026年6月

野村尚史議員は、2026年6月定例会の一般質問で、地域救急医療体制と防災力向上について質問しました。

対して佐用町は、佐用町の中山間地域という特性を踏まえ、救急医療体制と災害対応能力の確保は重要な課題であるとの認識を示したうえで、休日当番医制度や病院群輪番制、西播磨消防組合や県との連携など、現時点で可能な限りの体制整備を進めていると答弁しました。

再質問では、地域医療の将来像、ドクターヘリの安定運航、ヘリ要請体制、地域包括ケアとの連携などをめぐってやり取りが行われました。

目次

質問要旨

野村議員は、佐用町が広域な中山間地域を抱え、高齢化や人口減少が進む中で、住民が安心して暮らせる救急医療体制と災害対応能力の確保が重要な課題だとして質問した。

具体的には、

  • 佐用町における救急医療体制と、3次救急医療機関・急性期中核医療機関への搬送実態
  • 中山間地域における早期医療介入や災害対応体制強化の必要性
  • 西播磨消防組合におけるドクターヘリ、防災ヘリの要請基準と迅速な要請体制
  • 平時・災害時に活用できるランデブーポイントや防災拠点機能を備えた施設整備の必要性
  • 町として今後、救急医療や災害対応体制の強化をどう図るか

の5点を尋ねた。

当局答弁要旨

江見町長は、佐用町では佐用郡医師会、兵庫県、西播磨消防組合などと連携し、休日当番医制度や病院群輪番制を運用していると説明した。また、災害対応についても、町消防団、自治会、地域づくり協議会などと連携しながら、自助・共助の推進に取り組んでいると答弁した。

救急搬送の実態については、2025年度の救急出動件数は1,054件で、そのうち佐用共立病院と佐用中央病院への搬送が498件(約47%)だったと説明した。町内に3次救急医療機関はないため、3次医療機関への搬送は町外となり、同年度の3次医療機関への搬送実績は186件(約18%)だったとした。搬送先は津山中央病院84件、はりま姫路総合医療センター81件が多く、ドクターヘリ搬送は16件だったと述べた。

中山間地域における早期医療介入や災害対応体制強化の必要性については、必要性は当然あるとしたうえで、救急搬送システムの更新や、衛星通信設備の更新、防災訓練、水防講習会、防災訓練補助などを通じて、町として可能な限りの体制整備を進めていると答弁した。

ドクターヘリと防災ヘリの要請基準については、県の運航要領等に基づき、119番通報内容や現場状況から早期医療介入が必要と判断した場合に要請していると説明した。防災ヘリについても、災害時の消火、救助、情報収集などで空中活動が有効と判断された場合に要請されているとし、それぞれ基準に基づいた迅速な運用が行われているとの認識を示した。

ランデブーポイントや防災拠点機能を備えた施設整備については、兵庫県が設定する臨時離着陸場適地があり、佐用町全域をカバーしていると説明した。また、防災拠点については、フェニックス防災システムや衛星通信設備、Jアラート、備蓄品、災害対策本部機能などが集約されている役場本庁が実質的な防災拠点であり、新たな専用施設整備は現実的ではないとの考えを示した。

そのうえで、町としては、現在の規模や社会的資源の中で可能な限りの施策を実施しているとし、今後も関係機関と連携しながら、救急医療体制と災害対応体制の維持確保に努める考えを示した。

再質問・再答弁

再質問で野村議員は、町内医療機関が民間中心で成り立っている現状に触れ、医師や医療従事者の高齢化、物価高騰、設備更新負担などから、将来的に診療機能の縮小や閉院のリスクがあるのではないかと指摘し、佐用町の将来の地域医療をどう担っていくのか尋ねた。

これに対し健康福祉課長は、町としても重要な課題だと認識しており、たつの健康福祉事務所が問題意識を持っていることや、今年度、医療機関や医師会関係者、事務担当者らを集め、今後の佐用町の地域医療の課題を協議する場を設けていると説明した。

江見町長は、佐用町には町立病院はないものの、病院群輪番制や休日当番医制度に対する補助、コロナ禍での支援など、町としてできる支援は行ってきたと述べた。また、地域医療体制の検討会議を立ち上げ、行政と医療機関が今後の医療体制を協議していると説明した。そのうえで、公立病院の直営は全国的にも厳しい経営状況にあり、町直営病院を持つ方向よりも、民間医療機関を支えながら地域医療を維持する考えを示した。

続いて野村議員は、地域包括ケアシステムとACP(アドバンス・ケア・プランニング)の普及状況についても質問した。これに対し高年介護課長は、地域包括ケアシステムは医療、介護、自治会、ボランティア、警察、消防、事業所、役場などが連携して地域全体で支える仕組みだと説明した。

ACPについては、本人、家族、医療・ケアチームが将来の医療や介護について繰り返し話し合うプロセスだとしたうえで、町では昨年度、佐用町版エンディングノートを作成し、住民が将来の生活や医療について考え、家族や周囲と話し合うきっかけづくりを進めていると答弁した。また、ケアマネジャーが日常の関わりの中で本人の意思をくみ取り、支える役割を担えるよう、地域全体の連携体制強化を図っているとした。

野村議員はその後、神戸新聞で報じられたドクターヘリの運休問題についても質問した。企画防災課長は、整備士不足により運休の可能性が報じられていることは把握していると答弁し、県が緊急連絡会議を開き、防災ヘリによる代替や、関西広域連合内でのバックアップ要請などを検討していると説明した。

これに対し野村議員は、中山間地域にとってドクターヘリは町民の命を守る生命線だとし、運休を一時的な問題としてではなく、将来にわたり安定した航空医療体制の確保が必要だと指摘した。そのうえで、佐用町としても県や国、関西広域連合に対して積極的に関わってほしいと求めた。

これに対し江見町長は、佐用町単独で運営している制度ではないとしたうえで、県や関西広域連合でも今後の対応を検討していくとみられると答弁した。その中で、佐用町のような広大な中山間地域や、同様の課題を持つ地域と連携しながら、必要な要望はしっかり行っていきたいとの考えを示した。

さらに野村議員は、ドクターヘリ要請の迅速化について、中山間地域で重症患者が発生した場合には、通信指令員の段階でできるだけ早く要請判断を行うことが重要ではないかと質問した。

これに対し企画防災課長は、西播磨消防組合の運用では、119番通報内容に重症を示す情報が含まれていれば、現場到着前でもヘリ要請の有無を判断していると聞いていると説明し、改めて消防組合にも確認したいと答弁した。

また、ランデブーポイントと地域防災拠点の整備について野村議員は、中山間地域の旧小学校跡地などを、芝生広場や公園機能、子育て支援機能を持つ場として整備し、平時は交流拠点、災害時はヘリ離着陸や支援拠点として活用できるようにしてはどうかと提案した。

これに対し企画防災課長は、町内には消防防災ヘリ用4か所、ドクターヘリ用12か所のランデブーポイントがあり、一定のカバーはできているとの認識を示したうえで、新たな施設整備は財政面などから難しいと答弁した。一方で、地域づくり活動の中で防災も含めた話し合いを進めることは重要だと述べた。

最後に野村議員は、佐用町は自然豊かで魅力のある町である一方、広域な中山間地域ゆえの課題も抱えているとし、そうした課題を一つずつ解決しながら、「佐用町に住んでよかった、これからも住み続けたい」と思える町づくりを進めてほしいと述べ、質問を締めくくった。

主な論点

  • 佐用町の救急医療体制と3次医療機関への搬送実態
  • 中山間地域における早期医療介入の必要性
  • 民間医療機関を中心とした地域医療の将来像
  • 地域包括ケアシステムとACPの普及
  • ドクターヘリ運休問題への対応
  • ドクターヘリ、防災ヘリの迅速な要請体制
  • ランデブーポイントや防災拠点のあり方
  • 防災と地域活性化を両立する場づくり
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