廣利一志議員は、2026年6月定例会の一般質問で、法令に反する状態にあるメガソーラーへの対応について質問しました。
対して佐用町は、太陽光発電施設に関する防災対策は町民の安全安心に関わる重要課題だとしたうえで、法令違反に対する是正指導の権限は県にあると説明しました。
再質問では、違反状態の長期化、住民への情報公開、町としてどこまで主体的に関与できるかをめぐってやり取りが行われました。
質問要旨
廣利議員は、町内の太陽光発電施設、とくに法令に反する状態にあるメガソーラーについて、次の点を質問した。
- 太陽光発電施設の総数や、危険な状態にある箇所の把握状況
- 所有者変更などにより地域でも実態が把握しにくくなっている施設の有無
- 盛り土造成などによる土砂流出や水のあふれ、人家への影響といった危険事例の把握状況
- 県の盛り土総点検結果で指摘された箇所が、ハザードマップに反映されていない理由
- 森林法や盛り土規制法などに反する太陽光発電施設について、是正状況を住民に公開すべきではないか
- 太陽光発電施設の工事や将来的な撤去に伴う廃棄物処分について、住民の声が届いているか
当局答弁要旨
江見町長は、町民の安全安心の確保は町政の最優先課題であり、太陽光発電施設に関する防災対策についても、今後とも兵庫県と緊密に連携して対応する考えを示した。
太陽光発電施設の把握については、兵庫県の条例に基づき、事業区域が5,000平方メートル以上の大規模施設は届出対象となっており、2018年の条例施行以降、佐用町では7か所の届出があったと説明した。一方で、条例施行前の施設や5,000平方メートル未満の小規模施設については県条例の対象外であり、町がすべてを完全に把握するのは困難だとした。そのうえで、住民から異常報告があれば、その都度県の関係機関へ連絡し、情報共有に努めていると述べた。
危険事例については、盛り土造成地からの土砂流出による人家被害は確認されていないとした一方、大雨時の土砂崩壊などの情報があれば、職員が現地確認を行い、県や関係機関と連携して対応していると答弁した。また、県・町・関係機関による宅地防災パトロールも実施していると説明した。
ハザードマップについては、2021年3月に更新し、さらに2026年4月に最新の土砂災害警戒区域等を反映した更新を行ったと説明した。盛り土総点検結果が反映されていない点については、ハザードマップは土砂災害防止法に基づく警戒区域等を記載するものであり、盛り土点検結果とは法的性質が異なると説明した。そのうえで、点検箇所が新たに警戒区域等に指定された場合は、その時点で反映するとした。
住民への公開については、各法令に基づく是正指導や監督は県の権限に属すると説明した。町としては、県の建築指導課など関係機関と3か月ごとに情報共有し、是正が進むよう連携しているとした。
太陽光パネル等の廃棄処分については、現時点で住民からの相談や問い合わせはないとしつつ、全国的に経年劣化に伴う廃棄問題への関心が高まっていると認識していると述べた。太陽光パネルの解体撤去は、廃棄物処理法や県条例等に基づいて事業者が責任を負うものであり、2022年7月以降は10キロワット以上の太陽光発電について廃棄費用積立制度も義務化されていると説明した。
再質問・再答弁
再質問で廣利議員は、町内に法令に反する状態のメガソーラーがあること自体を重く受け止めるべきではないかと述べ、町長の認識を改めてただした。
これに対し江見町長は、メガソーラーそのものが違法というより、森林法や産廃条例、宅地造成等に関する法令に違反した状態で造成されたものが現状メガソーラーになっているとの認識を示した。そのうえで、望ましい状況ではなく、県の関係部署が連携して指導していると説明した。
廣利議員はさらに、2017年から2018年ごろにかけて議会で繰り返し取り上げてきたが、その後も違反状態が長く続いており、改善が遅れているのではないかと指摘した。
これに対し農林振興課長は、森林法違反については県が主管しており、県からの情報提供によれば、2018年ごろに違反が確定し、その後是正計画の提出を求め、最終的に復旧計画に基づく対応が進められていると説明した。進捗状況については県から年1回報告を受けていると答弁した。
さらに廣利議員は、2024年12月に復旧回復計画が提出され、原状回復の目途が令和21年とされていることを示し、認識を確認した。農林振興課長は、県から得ている情報としてその認識と一致していると答えた。
町として県の結果報告を待つだけなのかとの問いに対しては、農林振興課長が、過去に濁り水が出たと聞いている箇所などについては重点的にパトロールし、異常があれば町の範囲で対応し、県の所管であれば速やかに要請すると説明した。江見町長も、切迫した危険性があれば町も主体的に動くとしたうえで、現時点では県の判断として切迫した危険性はないと認識していると答弁した。
廣利議員は、住民からは濁り水や土砂流出に近い状況の経験も寄せられており、異常を察知する体制が必要ではないかと述べた。これに対し町長は、太陽光発電施設に限らず、住民から情報があれば担当課が現地確認し、法令根拠がある範囲で対応していくのが当然の姿だと答えた。
ハザードマップに関して廣利議員は、住民が危険箇所として当然反映されると思っていた一方、現状では掲載されておらず、安全と受け止められかねないのではないかと問題提起した。これに対し江見町長は、県の判断では現時点で切迫した危険性がなく、土砂災害警戒区域にも入っていないという理解だと述べ、改めて県に確認したいと答弁した。
住民への公開について、廣利議員は長期にわたる是正状況を住民に知らせる必要があると述べたが、農林振興課長は、県の所管事項であり、町が受け取った情報を独自に説明することはできないと答弁した。一方で、地域住民への説明が必要であれば、県から事業者に説明を求めるよう町として県に要請することは可能だとした。
また、原状回復の際の埋設ケーブルなどの撤去・廃棄物処理についても質問があり、農林振興課長は、そうした放置があれば廃棄物処理法違反にも関わるため、県が指導対象として扱うと考えていると答弁した。
最後に廣利議員は、住民から、撤去したパネルを別の法令違反箇所に設置しているのではないかとの情報が県に伝えられていると紹介し、県との連携をさらに密にしてほしいと求めた。農林振興課長は、町としてはその件を把握しておらず、県からも結果は聞いていないとしたうえで、今後も県との連携を続ける考えを示した。
主な論点
- 町内の太陽光発電施設の把握状況
- 法令違反状態にあるメガソーラーへの県・町の対応
- 土砂流出や濁り水など危険事例への対応
- 盛り土総点検結果とハザードマップ掲載の関係
- 是正状況の住民公開のあり方
- 原状回復時の埋設物や廃棄物処理への対応
