【山本】中学校部活動の地域展開に関する一般質問 – 2026年6月

山本康則議員は、2026年6月定例会の一般質問で、中学校部活動の地域展開・地域移行への取り組みについて質問しました。

対して佐用町教育委員会は、文部科学省の方針を踏まえながら、関係団体との協議やアンケート調査、人材確保などを進めている段階だと説明しました。

再質問では、近隣自治体の進捗、佐用町としてのロードマップ、地域全体での受け皿づくり、教員の働き方改革との関係などをめぐってやり取りが行われました。

目次

質問要旨

山本議員は、文部科学省が示した部活動改革の方針や、2025年度までの改革推進期間を経て、2026年度から2031年度までを新たな改革実行期間と位置づけた動きを踏まえ、佐用町の中学校部活動の地域展開について質問した。

具体的には、

  • 中学校部活動の地域展開・地域移行に向けた現在の進捗状況
  • 実施にあたっての課題
  • 2031年度に向けた展望

の3点を尋ねた。

山本議員は、少子化が進む中でも生徒が継続的にスポーツ・文化芸術活動に親しめる機会を確保すること、地域全体で子どもたちを支える体制をつくること、障害のある生徒や活動が苦手な生徒も含めて多様な参加の場を整えることが重要だと述べた。

当局答弁要旨

教育長は、佐用町では2023年に示された文部科学省、スポーツ庁、文化庁の方針に基づき、近隣市町の動向も見ながら段階的に準備を進めていると説明した。

現在の具体的な取り組みとしては、

  • 文化協会、スポーツ協会など関係団体へのアンケートや協議
  • 小学生、中学生へのアンケート調査の準備
  • 部活動指導員となる人材の確保
  • 神河中学校女子バレー部での部活動指導員配置の実例の把握

などを挙げた。

実施上の課題としては、

  1. 指導者の確保と育成
  2. 生徒、保護者、地域の理解と合意形成
  3. 少子化による児童生徒数の減少
  4. 受け皿となる地域組織や施設の整備
  5. 教職員の働き方改革との両立
  6. 経費負担のあり方

を挙げた。

また、2031年度に向けては、まずアンケート結果などを踏まえながら、休日の部活動から段階的に地域展開を進め、その後平日に広げていく考えを示した。そのうえで、文化協会、スポーツ協会、地域づくり協議会などとの連携を強化し、障害のある生徒や活動が苦手な生徒も含めて、誰もが参加できるインクルーシブな活動環境を整えていきたいと答弁した。

さらに、部活動指導員や地域人材を活用した指導者配置の拡大、指導者研修会の開催、人材登録システムの検討、既存団体との連携や新たな地域クラブ創設の検討などを進め、計画的かつ着実に地域展開を進めたいとした。

再質問・再答弁

再質問で山本議員は、近隣自治体の状況をどの程度把握しているのか尋ねた。

これに対し教育長は、教育長会議などを通じて情報交換しているとし、姫路市では「姫カツ」として平日は学校部活動、土日は地域活動という形で進めていること、赤穂市はこの秋から地域展開を進める方向であること、たつの市は学校部活動と地域活動を併用するハイブリッド型であること、宍粟市は年度を区切って完全移行を目指していることなどを説明した。また、福崎町、市川町は佐用町と同様に指導者不足や受け皿不足で苦戦していると述べた。

山本議員は、近隣市町の状況を見ると、従来型の学校部活動をそのまま継続していくのは難しく、どこかの段階で学校部活動を終了し、地域クラブへ移行するという方向性や時期を示す必要があると述べた。また、小学校高学年の段階から将来の活動のあり方を見通せるようにすることや、既存のスポーツ協会・文化協会の募集体制と連動させることが有効ではないかと提案した。

さらに、従来のような大会勝利を中心とした部活動だけでなく、文化活動やレクリエーション的なスポーツも含めた多様な活動の選択肢を示すことで、地域展開の受け皿づくりにつながるのではないかと述べた。

これに対し教育長は、教育委員会としても、他市町の状況を参考にしながらロードマップを作成中だと説明した。一方で、佐用町は受け入れ団体が少なく、期日だけを先に決めても現実に対応できなければ意味がないため、慎重にならざるを得なかったと述べた。

また、部活動の概念そのものが変わるという指摘については、従来のように大会での競技力向上を目指す活動も重要だが、一方で生涯にわたってスポーツや文化芸術に親しむという新しい考え方も重視されているとし、競技志向のクラブと、より幅広い参加を目的とするクラブの棲み分けが理想だと述べた。ただし、現実には受け皿不足などから簡単ではないとの認識も示した。

山本議員はさらに、送迎方法や指導者への報酬など、予算措置を含めた全庁的な検討が必要だと指摘した。これに対し教育課長は、国や県にも地域展開推進事業の補助制度があり、休日・平日のクラブ活動支援、コーディネーター配置、人材バンク整備、指導者研修などへの補助が予定されていると説明し、有利な補助制度を適切な時期に活用したいとの考えを示した。

また、山本議員は、部活動の地域展開は教員の働き方改革の観点からも重要だと述べ、中学校教員の長時間勤務の実態を紹介したうえで、部活動の負担軽減により、教員が本来の授業準備や生徒指導により多くの時間を充てられるようになるのではないかと指摘した。

これに対し教育長は、自身の教員時代には夜遅くまでの部活動や土日の練習試合が常態化していた経験を振り返りつつ、現在はノー部活デーが導入されているものの、佐用町内でも年度初めなどには月80時間を超える超過勤務の教員がいたと説明した。そのうえで、部活動の地域展開は子どもたちの活動機会確保が最優先ではあるが、同時に教職員の働き方改革という側面もあることを地域にも理解してほしいと述べた。

山本議員は最後に、神戸市の調査では地域展開後に指導者として関わる意向を示した現職教員が3割未満だったことに触れ、若い世代ほどワークライフバランスを重視する傾向があると指摘した。そのうえで、部活動改革は教育委員会だけで進められるものではなく、予算措置も含めて行政全体で「チーム佐用」として進める必要があると述べ、質問を締めくくった。

主な論点

  • 中学校部活動の地域展開に向けた現在の進捗状況
  • 近隣自治体の地域移行の進み方
  • 指導者不足や受け皿不足への対応
  • 学校部活動から地域クラブへの移行時期やロードマップ
  • 生徒の多様なニーズに応じた活動の設計
  • 送迎や報酬を含む予算措置の考え方
  • 部活動改革と教員の働き方改革の関係
  • 行政全体で取り組む体制づくり
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