【金谷】学校規模適正化の根拠に関する一般質問 – 2026年6月

金谷英志議員は、2026年6月定例会の一般質問で、学校規模適正化の根拠と今後の検討の進め方について質問しました。

対して佐用町教育委員会は、少子化の進行を踏まえ、子どもたちにとって望ましい教育環境をどう確保するかという視点から検討を進めていると説明し、現時点では統合や再編の具体的な方針は決まっておらず、複数の選択肢を整理する段階だと答弁しました。

再質問では、小規模校の位置づけ、文部科学省の手引きの捉え方、地域との合意形成、町長部局との連携などをめぐってやり取りが行われました。

目次

質問要旨

金谷議員は、教育委員会が進めている学校規模適正化の検討について、その根拠や考え方をただした。

具体的には、

  • 検討資料で示された「少子化の急速な進行、共働き家庭やひとり親家庭の増加、地域コミュニティの衰退、個別最適な学びと協働的な学びへの対応、生活圏の変化、学校施設管理に関する教職員負担」などの背景が、なぜ適正規模・適正配置を求める理由になるのか
  • 適正規模の目安が、教育環境の充実にどう結びつくのか
  • 適正配置として学校統合を行うことで、望ましい教育環境が本当に実現できるのか
  • 義務教育学校や小中一貫校をどのように検討しているのか
  • 学校施設の老朽化対応にあたって、改築、長寿命化、改良、統廃合を伴う新築などの選択肢と財源をどう考えているのか
  • 学校統合が人口減少や少子化に拍車をかけるのではないか

と質問した。

当局答弁要旨

大森教育長は、学校規模適正化について、急速な少子化と社会情勢の変化の中で、子どもたちにより良い教育環境を保障するために避けて通れない課題だと説明した。

そのうえで、2025年5月に教育委員会が「佐用町立学校のあり方検討委員会」に諮問し、アンケート調査や地域ごとの考える会を実施した結果を踏まえて、教育委員会から町長へ提言を行ったと述べた。提言では、小学校については複式学級を解消できる規模、中学校については幅広い教育活動が展開できる規模を求める考え方が示されたと説明した。

ただし、現時点では学校の再編や統合に関する具体的方針は決定しておらず、教育委員会の提言をもとに、内部組織である小中学校保育園規模適正化推進会議で複数の選択肢をシミュレーションしている段階だとした。

背景要因については、文部科学省が2025年3月に示した手引きに記載された一般的な要素であると説明しつつ、佐用町としては少子化の進行に伴う児童生徒数の減少が本質的な課題であり、家庭環境の変化や中心地への集中など、町の実情に即して改めて検証していく必要があると答弁した。

適正規模については、一定の集団規模があることで、多様な価値観に触れ、議論し、協力し合う機会が確保されることや、教職員の専門性や配置の面でも教育活動の充実につながると説明した。一方で、小規模校ならではの良さも認識していると述べ、今後も実情に応じた最適な学びの環境づくりに努める考えを示した。

適正配置と学校統合の関係については、望ましい教育環境に絶対的な正解があるわけではないとしたうえで、統合ありきではなく、存続も含めた複数の選択肢を整理するための作業を進めていると説明した。

小中一貫校については、中1ギャップの軽減や一貫カリキュラムの利点がある一方で、人間関係の固定化や教職員配置・管理体制の複雑化といった課題もあるとして、検討項目の一つとして位置づけていると答弁した。

続いて江見町長は、学校施設の老朽化対応について、現時点で基本方針が決まっていない中では、改築、長寿命化、改良、新築のいずれを選ぶかも決定していないと説明した。そのうえで、財源の有利不利を先に理由として手法を決めるのではなく、まず子どもたちにとって最適な教育環境を実現する方法を考え、その後で財源を検討する考えを示した。

また、学校統合が人口減少や少子化を進めるのではないかとの問いに対しては、そうしたリスクを軽視しているわけではないとしつつ、地域コミュニティの維持と教育環境の充実のバランスを取ることが重要であり、適正配置の議論では子どもたちの教育環境の充実と維持を最優先に据えていると答弁した。

再質問・再答弁

再質問で金谷議員は、文部科学省の手引きが「一定の集団規模が望ましい」とする一方で、小規模校のデメリットが前面に出やすい構成になっていると指摘した。また、手引きでは地域コミュニティの中核として学校を位置づけ、統合しない場合の考え方も示されているとして、佐用町でもその視点が当てはまるのではないかと述べた。

これに対し大森教育長は、自身の学校現場での経験として、生徒数が極端に少ない学校では、合唱や体育祭など集団活動の面で制約が出ている実態を見聞きしてきたと説明した。そのうえで、一定の人数の中で切磋琢磨し、刺激し合える環境が望ましいとの認識を示した。一方で、何人以上でなければならないといった固定的な考えではなく、今後の児童生徒数の推移も踏まえて考えていきたいとした。

さらに金谷議員は、第4期佐用町教育振興基本計画で示されている学校・家庭・地域の連携協働や、小中連携、小々連携、中中連携、地域連携の方向性にも触れ、統合だけでなく連携による対応も重視すべきではないかと質問した。

これに対し大森教育長は、佐用町ではすでに各地域で小中連携教育やコミュニティスクールの取り組みが進んでいると説明した。小学校と中学校の教員交流や出前授業、合同運動会などの実践を挙げ、こうした連携教育を否定してすぐに統合すべきという考えではないと答弁した。また、ICTを活用すれば少人数でも学びの充実を図ることは可能だとしたうえで、将来の子どもの人数推移や多様な意見を踏まえて判断していく姿勢を示した。

金谷議員はその後、文部科学省の研究会報告にも触れ、児童生徒の学びの環境改善を検討の中心に置くこと、多様な主体との対話と合意形成を重視すること、地域の実情に即して主体的に判断することが重要だと述べた。

これに対し大森教育長は、その考え方はまさにその通りだと思うとしたうえで、一つ一つを佐用町に当てはめながら大切にしていきたいと答弁した。

また金谷議員は、行政側と住民側で持っている情報量の差にも配慮しながら、保護者、児童生徒、教職員、地域住民、若い世代も含めた情報提供と議論の場づくりが必要だと指摘したうえで、町長部局との多角的・総合的な連携についても質問した。

これに対し江見町長は、佐用町では教育委員会と町長部局が同じ役場内で日常的に情報交換し、総合教育会議も含めて普段から連携していると説明した。大都市のように部局間の距離が大きい状況ではないとして、今後も緊密に連携していく考えを示した。

さらに金谷議員は、小規模校を存続させる場合の課題として、教職員数が少ない中での人材育成やミドルリーダー育成についても質問した。

これに対し大森教育長は、佐用町内の中学校では教科ごとに教員が1人しかいない学校も多く、若い教員が複数学年を担当するなど大変な状況があると説明した。そのうえで、町内の教科研修会や教育研究所による研修、教職員同士の協力体制を通じて支えていると答弁した。また、30代・40代教員や教頭候補者が不足している現状にも触れつつ、若い教員に佐用町の良さを知ってもらい、根付いてもらえるような環境づくりに取り組みたいと述べた。

最後に金谷議員は、今後の議論を進めるにあたっては、国の手引きや研究会報告も踏まえつつ、佐用町の実情に即した形で丁寧に進めてほしいと述べ、質問を終えた。

主な論点

  • 学校規模適正化を検討する根拠をどう捉えるか
  • 少子化と教育環境の関係をどう考えるか
  • 小規模校の利点と課題をどう評価するか
  • 学校統合と教育環境の充実はどう結びつくか
  • 小中一貫校や連携教育をどう位置づけるか
  • 老朽化対応と財源の考え方
  • 学校統合が人口減少や地域コミュニティに与える影響
  • 保護者、児童生徒、地域住民との合意形成の進め方
  • 教育委員会と町長部局の連携
  • 小規模校における教職員育成と体制づくり
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